学生の目でメディアを読む

vol.1

「ホリエモンに問う!お金はすべて…なのか?」

更新:2006/4/1
文:川中謙次(法政大学)

例えばあなたが「お金で買えない物は何か?」と聞かれたらなんて答えるだろうか?命、愛、健康など、その答えはそれぞれ異なるだろう。しかし、あるインタビューで「お金で買えないものは無い!!」と言い切った人がいる。そうご存知、ホリエモンである!
合法非合法に関わらず買収につぐ買収をし、ニッポン放送とバトルをしたり、球団が欲しいと名乗りを挙げたりしていたホリエモンが逮捕されてから気がつけば2ヶ月になる。3月16日にUSENがライブドア買取を宣言し、ひとまず一連のライブドア問題は落ち着いたように思う。そこで、今こそ「お金こそすべて!」と言い切ったホリエモンについて考えてみたい。

ホリエモンは今まで日本に馴染みがなかったM&A、つまり企業買収という概念を持ち出したという点で、外国では評価されていたという。しかし、僕はこの企業買収というものがどうも好きになれない。それは会社というものは売買の対象である「物」というより、「人の集合体」であるというイメージが僕の中にあるからだと思う。会社には人がいっぱいいるわけだし、みんな自分の会社に愛着を持っているだろう。そんなときにいきなり「お金は出しますので、君たちを買い取ります」と言われたら、果たして納得できるだろうか?少なくとも僕は納得できない。だからこそ、僕は強引な企業買収を行なってきたホリエモンに疑問を抱いてしまうのだ。

ホリエモン事件もそうだが、なんだか日本がどんどんアナログ社会からデジタル社会へ移行しているように僕は感じる。昔は義理や人情を重んじていたのに、今は成績や金、学歴など数値化できる分かりやすいものばかりを重んじるようになってきた。会社をただのブランドとしか認識できず、そこにいる人の気持ちを考えないからこそ強引な買収ができるのではないかと思う。
 僕が尊敬してやまないのは、忠臣蔵の世界である。主君の仇を討つために、自分の命も顧みず吉良上野介を討ち取った四十七士はなんてカッコいいのだろうか。あれこそ忠義の世界である。はたして、ライブドア取締役時代のホリエモンに忠義を持つ人はいたのだろうか。確かにお金儲けだから、デジタルな利益を追求する考えも必要だろう。しかし、相手の会社を思いやって共に成長していくといったようなアナログ的経営手法も時には必要なのではないか。

僕は、金で労働力や時間は適当な会社に売ったとしても、心だけは売りたくない。だからこそ、「この会社、最高!」とか「全身全霊で仕えてやる!」って思える会社がもっと、もっと増えて欲しいと思う。お金はすべてではないと思う。やっぱり。 
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